フィリピン留学ブログ

英語が伸びないことも!?フィリピン留学での講師変更の落とし穴

フィリピン留学の最大の魅力といえば“マンツーマンレッスン”ですが、多くの学校で担当講師を変更ができるという制度があります。

この講師を変更できる制度は欧米留学にはないユニークな特徴で、自分にあう講師を選ぶことができるということに魅力と安心感を覚える人もいるのではないでしょうか。

しかし、誤った認識で講師の変更を行うと英語力が上がるどころか、レッスンの進捗が滞ることになることはあまり知られていません。

この記事では、元学校職員の経歴を持つスタッフが、講師の変更とその影響について詳しく解説します。是非、留学の際の講師との向き合い方に役立ててください。

1. 講師は毎時間変わることが多い

コースによって4~8時間程度のマンツーマンレッスンがありますが、毎時間担当の講師が異なる、もしくは同じ講師は最大2時間までなど制限がある学校が多いです。

その理由は学校によって異なりますが、合理的な考えが背景にあります。

学生と講師の馴れ合いを防ぐため
同じ講師と長い時間過ごすと、どうしても仲良くなりすぎてしまい、レッスンへの緊張感も失われてしまいます。仲が良いためにフリートーク (雑談)が増えてしまったり、講師が厳しくすべきところで甘くなりがちです。

講師が得意分野だけを教える方が良いレッスンが提供できるため
講師が様々な科目を教えるのではなく、リスニングや発音などの一つの科目のスペシャリストとなり、その科目のみを担当する体制の学校があります。

複数の講師で学生の英語力の状態を把握するため
一人の講師が担当すると、その講師の判断や指導がすべてになってしまい間違いが起きても修正ができません。複数の講師が学生を見ることでセカンドオピニオンを得ることができ、正しい判断が行われることに繋がります。

人気講師の独占を防ぐため
どの学校にもカリスマ性があり人気の高い講師がいます。一部の学生のみを担当してしまうと学生に不平等感を与えてしまうため、できるだけ多くの学生を担当できるようにしています。

講師が欠勤や退職した際に悪影響を最小限とするため
担当講師が退職してしまった際にレッスン内容の一貫性などの面で問題が生じるため、一人の講師の退職で混乱を及ぼさないように長時間一人の講師が担当しないようになっています。

2. 良い講師という評価は人により異なる

誰しもが“良い講師”に教えてもらいたいと思うものですが、この“良い講師”という評価は学生のタイプによっても変わってきます。

初級者向きの講師
英語力の低さから自分の言いたいことを適切に表現できないことがあります。その時に、言いたいことをうまく察してくれて会話を導いてくれる講師が向いています。また、間違いを事細かに指摘すると、初級者は気持ちが萎えてしまうため、学生のメンタルへの配慮ができる講師が向いています。

中上級者向きの講師
このレベルになるとベースとなる英語力があり、それをブラッシュアップすることが目標になっている場合が多いです。この場合は間違えたところをしっかり指摘して、正しく修正してくれる講師が目的に叶うため向いています。

勉強嫌いの人向きの講師
楽しめる話題が豊富でユーモアがあり、場を盛り上げてくれる講師が向いています。レッスンが楽しいと思えることで、英語学習への意欲を引き出してくれます。

良い講師と呼ばれている人もマッチングが悪ければ評価の悪い講師に変わります。

初級者向きとされる講師が、中上級者にそのままの方針で教えると細かい間違いはスルーされてしまい、ブラッシュアップを図りたい学生からすると、「優しすぎて勉強にならない」と評価されてしまいます。

中上級者向きの講師から初級者や勉強嫌いの人が教わると、間違いを指摘されてばかりで、「心が折れてレッスンが楽しくない」と感ることでしょう。

勉強嫌いの人向きの講師は、レッスンの進捗を気にする人によっては「授業が脱線してばかりで進まない」と映ります。

もちろん学生の英語力やキャラクターに合わせて臨機応変に教え方を変えられる講師がベストですが、それは類稀なる才能なため少数です。

3. 講師の変更は最低限に

3-1. 講師を変更したくなる理由

マンツーマン、グループクラス含めて1日7~8名の講師からレッスンを受けると、相対的に「この先生は良い」「この先生はイマイチだ」という評価がなされるようになります。

もちろん、自分とはマッチングが悪すぎるタイプや態度に問題がある場合は、講師の変更を申し出るのことに何も問題はありません。

しかし、講師の良し悪しは相対的な評価になることが多いため、客観的には平均的な実力の講師ですら、低い評価となってしまうことが起こります。

講師に対して低い評価を下してしまうと、最悪の場合、講師に対して敬意が失われてしまうことからレッスンが無意味な時間になってしまうことも起こるのです。

  • レッスンでやる気が起きない
  • 教えられたことが信じられない
  • 復習や課題をやらなくなる
  • レッスンの準備をしない

「この先生ではダメだ」と思い詰めると、講師を変更する決断を行います。講師を変更することにためらいがなくなると、定期的に講師を代える習慣ができてしまいます。

さらに「友達があの先生が良かったと言っていた」「人気があると聞いたから」という理由で講師を変更する人もいます。情報として参考にするのは構いませんが、あくまで周りの主観的な情報のため振り回されてしまっては意味がありません。

3-2. 講師を変更するデメリット

講師を変更することはメリットだけでなく、大きなデメリットがある点も理解しておく必要があります。

  • 一貫した内容でレッスンが受けにくくなる
  • 教え方が変わることで慣れるまで効率が下がる
  • 講師が学生の課題を把握するのに時間を要する
  • 初回は自己紹介やヒアリングの時間などがあり授業が進捗しない
  • 変更後の講師が自分の希望通りの講師とは限らない

デメリットの大きさを考慮すると「やる気がない」「態度が悪い」「英語力に問題がある」といった明らかに講師としての資質に欠ける場合でもない限りは、講師の変更は慎重になった方がよいでしょう。

4. 講師を変更した方が英語力は伸びるのか

「講師の変更頻度と英語力向上の関連性」については、語学学校で調査が行われたことがあります。

4-1. 講師変更を繰り返す学生

頻繁に講師の変更を繰り返している学生は、英語力の伸びは高くないという結果が出ています。このような学生の講師変更の理由を照らし合わせると以下のような特徴が浮き彫りになりいます。

  • キャラクターの好き嫌いで講師を評価している
  • 他責思考で英語力の伸びが感じられないことを講師のせいにしている

英語力の向上は自習などの地道な努力が背後にあって初めて実現できることですが、一番目立つ要素である講師の責任にしてしまう人はやはり英語力が伸びづらいと言えます。

4-2. 講師変更をしない学生

一方、英語力を伸ばしている学生で頻繁に講師の変更を行っていないという結果が出ています。

そもそも、英語力を大きく伸ばす人は、元々勉強事が得意なことが多いですが、そのような人は自習など地道な努力が必要なことを理解していますし、講師に要求することは「英語を正しく教えてくれる」ことであって、「楽しい時間を過ごせる」ことや「人として魅力的」といったことはどうでもよいと考えています。

そのため、このような学生が講師を変更するのは、英語を教える能力に問題があると判断した場合に限っています。

つまり、英語を教えてくれる点で問題がなければ、仮に面白みのないキャラクターの講師だったとしても変更することはなく、黙々とカリキュラムをこなしていくのが英語力が伸びる学生の特徴なわけです。

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5. 講師との信頼関係を作ることが重要

レッスンの多くがマンツーマン形式となるフィリピン留学では、講師との人間関係もレッスンの質を決める大事な要素になります。

学生は費用を支払っているお客様ではありますが、講師も人間です。やる気があり、自分を信頼して教えを請う学生には、自然と力を割いて教えようとするものです。そして一生懸命教えてくれる講師に報いようと、自習を頑張ったり、レッスンの準備を入念にしたりと学生側の意識も変わるという良好なサイクルが生まれてくるのです。

初めてのレッスンから時間が経っていない頃は、講師が手探り状態でレッスンを進めた結果、要望から外れた内容になってしまうことがあります。しかし、そこで安易に不満を抱かずに講師を継続したことから、後々納得できるレッスンを受けることができることは珍しいことではありません。

フィリピン留学では、卒業式になると担当講師と学生が涙を流しながら別れを惜しむ光景をよく目にします。それだけ、信頼関係から二人三脚でお互いにベストを尽くしたからこそ、感極まるほどの気持ちになるのです。


講師の変更について、いかがだったでしょうか。

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