フィリピン留学ブログ

フィリピン留学でよく聞く「スパルタ式」って何?

フィリピン留学で学校選びをしていると“スパルタ”という単語が当たり前のように出てきます。一体どんなものなのでしょうか。

まず、スパルタという単語を辞書で調べると、

アテネと並ぶ古代ギリシャの代表的都市国家。前12世紀ごろ、ドリス人がペロポネソス半島南部に建設。前5世紀のペロポネソス戦争でアテネを破ってギリシャの覇権を握ったが、前371年、テーベに敗れ、以後は急速に衰えた。

1 [名]「スパルタ式教育」の略
2 [形動]きわめて厳格なさま。「スパルタな指導者」

出典:デジタル大辞泉

世界史を学んだことがある方はご存知の大昔に存在した国の名前がスパルタですが、さらにスパルタ教育で調べると

スパルタで、兵士養成のために幼時から施したきびしい軍事訓練や教育。転じて、そのような厳格な教育法をいう。スパルタ式教育。

出典:デジタル大辞泉

怖いイメージのある言葉ですね。なぜフィリピン留学には、こんな「怖い」言葉が使われる学校やコースが存在しているのでしょうか?まさか、軍隊式で教える学校が存在しているのでしょうか?

この記事ではフィリピン留学におけるスパルタ式の解説と、これに向いている人、向かない人を詳しく解説していきます。

先生やスタッフが怖いわけではない

日本においてスパルタという言葉は、「厳格」「軍隊式」といった怖いイメージがありますが、フィリピン留学における“スパルタ”という言葉は、あくまで一般的なコースと比較して、より集中的に学習できるコースや環境を指して使われています。決して、講師が厳しい指導を行い、極度の緊張感の中で勉強しなければならないといったことはありませんので、ご安心ください。

なぜ、スパルタという言葉が使われるようになったかと言うと、フィリピンの語学学校の多くが韓国資本の運営であることが理由です。韓国人学生にとっては、スパルタという逞しく強そうな言葉が、「より英語が伸びそう」というニュアンスで受け取られるためです。

スパルタ式の特徴

1. 平日は外出禁止

一般的なコースでは放課後は門限まで外出が可能なことが一般的です。しかし、スパルタ式コースでは、平日は外出が許可されません。放課後とはいっても自習などしっかりしなければ英語力は伸びませんから、「平日から出歩かず、ちゃんと自習しなさい」という意味でこのようなルールになっています。また、食事付きで売店やスポーツジムなどの設備が充実している学校が多く、外出しなくても生活に支障はないという事情もこのルールを支えている理由でもあります。

2. 授業が早朝から夜間まであり豊富

スパルタ式コースでは、朝食前に授業があったり、放課後の夜間にも授業があるなど、1日の学習時間が豊富に設定されています。同様の授業は一般的なコースにおいても設定されている学校がありますが、スパルタ式コースの場合は出席必須になっていることが多いです。

3. 毎日の自習が義務化されている

英語力を伸ばすには授業で学んだことを定着させるために自習が必要です。一般的なコースではこの自習をやるかは学生に委ねられていますが、スパルタ式コースでは義務化されています。自習室には自分専用の座席がある場合もあり出欠管理が行われます。さらに分からないことがあれば監督講師に質問ができるようになっていることもあります。

4. 毎日小テストがある

単語や熟語の小テストが行われることが多いです。基本的に出題範囲はあらかじめ案内されるため、ちゃんと取り組んでいれば合格できる内容なのですが、不合格になってしまうとペナルティを受けることになります。ペナルティの内容としては、追加の課題を与えられたり、週末の外出を制限されるというものです。

5. レベルが高いわけではない

レベル高い人たちが受講するコースと思われがちですが、むしろ初級〜中級者に人気があります。英語力の高低で選ばれているのではなく、自己管理が苦手で勉強から離れないように学校にしっかり管理してもらいたい方から選ばれているコースです。ちなみに、元々上級者の受講が多いIELTSコースなどはスパルタ式コースであっても、英語力が高い学生が多く在籍しています。

スパルタ式で学ぶメリット

スパルタ式コースの方が一般的なコースよりも英語力が伸びるのかという効果については、必ずしもそうではありません。基本的に授業内容は変わらず、講師の教え方も同じです。一般的なコースでも授業+自習をしっかりこなす毎日を送ることができれば、スパルタ式コースと同等の成果を上げることはできるでしょう。しかし、それができないのが英語学習です。

スパルタ式コースを選ぶことで最もメリットがあるのは、以下のような人です。

  • 自己管理が苦手でついついさぼってしまう恐れがある人
  • 周囲の人が不真面目だとついつい流されてしまう恐れがある人

英語学習は三日坊主との戦いで、海外で学ぶにしても同じです。最初は高いやる気で留学した学生も、1ヶ月、2ヶ月と経つ内にモチベーションは下がっていくものです。そのきっかけは自分自身への甘さと周りの悪影響です。

スパルタ式コースであれば、理想的な学習スタイルで生活することが強いられ、周囲も同様に勉強中心の生活を送る人ばかりです。周囲が遊んでいる時に自分だけ勉強するのは大変ですが、スパルタ式コースであれば勉強する時はみんな一緒、リフレッシュする時もみんな一緒です。周囲の人を含めて全員が同じ方向を向いて生活していることでモチベーションを高く保つことができ、結果として英語力をより伸ばすことに繋がるわけです。

デメリットもある

誰もが留学の目的は「英語力だけ伸びればよい」という訳ではありません。「英語も勉強したいけど、海外生活を楽しみたい」という目的の方もいます。そのため、目的が合わない人、向かない人にとっては スパルタ式コースは窮屈に感じてストレスになってしまうでしょう。

1. ONとOFFの切り替えが下手な人には向かない

フィリピン留学は授業時間が豊富なことから、毎日の学習による疲れはそれなりのものがあります。通常のコースであればストレスが溜まったと感じた際に、平日でも友達と外出して食事したり遊んだりできますが、スパルタ式コースの場合は週末にしかそれができません。

2. 自分のペースで勉強したい人には向かない

勉強が得意な人や、モチベーションが並々ならぬ高い人は、周囲に流されることなく自分のペースでしっかり勉強できる傾向が強いです。このような人は無理に学校側が定める生活スタイルに合わせると、自分のペースが崩れて逆効果ということも起こり得ます。

セミスパルタ式という選択肢もある

自由度の高い一般的なコースだとついつい遊んでしまうのが心配だけど、スパルタ式コースはちょっと厳しすぎる…と感じる方にオススメなのが“セミスパルタ式コース”。こちらは一般的なコースとスパルタ式コースの中間的な存在になっており、以下のようなルールを設けているものです。

  • 平日3日程度は外出が許可される
  • 平日の門限は20時など早めだが外出できる
  • 小テストなど課題をクリアすれば外出できる
  • 早朝や夜間の授業はあるが自由参加
  • 自習が曜日によっては義務化されている

学校によってルールが異なり定義がしっかりしないのがセミスパルタ式コースですが、勉強に意識の向いた生活を送るために最低限のルールは求められるが、真面目に勉強していれば外出を制限されたりすることはないというものです。日本人学生はスパルタ式コースよりも、このセミスパルタ式を選ばれる人が多い傾向があります。

スパルタ式・セミスパルタ式のおすすめの学校

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