フィリピンネタ

語学留学をする目的としてはもちろん語学力を付けるということがありますが、その他にもその国のことをより身近に見て感じ、人生の視野を広げるという事もあると思います。

フィリピン・セブ留学をすれば誰でも程度の差はあれ「貧困問題」を考えることがあると思います。

そして、セブにはこの貧困問題を「解決しよう」としている日本人運営のボランティア団体「誰でもヒーロー(DAREDEMO HERO)」があります。

場所はタランバンというセブ市街地からタクシーで15分程行った街にあります。

施設はタランバン市役所(バランガイホール)から徒歩30秒ほどの街の中心部にあります。そして中にはDAREDEMO HEROのおそろいのTシャツを着た子供たちが沢山が元気に遊んでいました。

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本日はこちらの団体が最近空港があるマクタン島にオープンさせた2つ目の施設の子供と初めての合同イベントという記念すべき日でした。

そして、こちらの団体の代表のHIROさんが団体の立ち上げの理由、行っている事、目指す事など約2時間かけて説明をしてくれました。

HIROさんは元々東進ハイスクールのカリスマ英語講師として長年活躍しており、僕の周りにも受験の時はお世話になりました!と言う人が複数います。団体立ち上げの際に退職依頼を提出したとのことですが、出版や映像の権利など問題から退職の許可が下りず、現在も休職扱いになっているようです。しかし、もう戻ることは考えておらず今はこの団体の運営に人生をかけています。

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説明は流石は元カリスマ予備校講師というだけあり、テンポよく笑いも混ぜたエネルギッシュなものでした。

HIROさんも「普通ボランティアに参加すると説明は少しで直ぐに子供たちと交流して~となりますが、私たちはこの団体が目指すものをしっかり理解して欲しいのでしっかり説明させてもらいます」と仰っていました。

確かに2時間も説明を聞くとは思ってもいませんでしたが、結論からいうと聞いて良かったです。

この説明にはいろいろな気づきが詰め込まれていました。

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説明ではかなり多くの内容が詰め込まれていました。

まずは、DAREDEMO HEROの目的は「フィリピンの貧困層から色々な分野でのリーダーを大量に輩出し、彼らが将来自分たちを苦しめた貧困撲滅の為に働く基礎を作る。最終的には300年以内に大統領を輩出する。」という壮大なものです。その為に貧困層でやる気にある子供をサポートするのが大きな活動内容です。

ここだけ聞くと夢物語のようですが、この団体がスタートした2年間の間に、施設の子どもが大学を主席で卒業したり、近くの小学校の6学年中4学年で成績TOPがこのDAREDEMO HEROの施設の子どもになったりと早くも高い実績を残し、小学校からも2度表彰されているようです。

確かに、ストリートチルドレンにいくら食べ物を与えても、貧困層にいくらお金を渡しても貧困問題を根本から解決することになりません。やはり教育、しかもそれは親や家庭も含めて教育の必要性を理解してもらう事が必要です。そして、社会の中でこれを変えようとするにはとてつもなく長い時間がかかり、不可能と思えるような作業でもあります。

しかし、HIROさんの話を聞いていたら、もしかしたらこの流れが多くなれば変える事ができるかもと思えました。

その他、特に僕にとってインパクトが残ったのは下記のポイント。

①施設の子供たちが綺麗なかっこうをしていてあたりまえ

この施設を訪れて最初に思う事が貧困層と呼ばれる子供たちが綺麗なかっこうをしており、全く貧困層の子どもには見えません。

しかし、HIROさんは施設の子供が貧しく見えるのはおかしいと主張します。「洋服や靴などは大した金額をかけなくても買う事ができます。我々は子供たちをサポートしているのだから、子どもの服がボロボロのままだったら、安く買える服すらサポートできてないじゃないかという事になります。ボランティア団体の中には存在することが目的になっていて、お金を集まる為に子供たちにわざとボロボロの服を着せたり、ピアスなどのオシャレも許さないという所があります。

でもそれは絶対におかしい。

ピアスやカチューシャなどおもちゃであれば20ペソ~30ペソ(約50円~75円)で買えます。女の子はオシャレをしたいのは当然。お金を集めるためにそんな小さな楽しみも許さないなんてことはあってはいけない。

綺麗な洋服を着る事で見た目の引け目もなくなり笑顔になれます。ですから、もし訪問者から『子供たちが貧困層にみえませんね。』って言われればそれは「ありがとうございます。しっかり支援ができていますので」ということになります。」とのこと。確かにその通りだと思いました。

②施設が富裕層も多く住むエリアにある

ボランティア団体の施設はスラム街などにあることが多いのですが、こちらは近くに富裕層も多く住む街の中心地です。もちろん家賃も高くなりますし、その節約できるお金を運営費に回した方が良いのでは?と思えます。

しかし、これらにも理由がありました。理由は大きく分けて2つ。

1つ目はボランティア参加者の安全確保のため

こちらの施設には時期によっては10名を超えるボランティア参加者が寝泊まりします。中には大学生や若い女性の方も沢山います。ですのでしっかり安全の確保ができる場所でなくてはいけないため。

2つ目は、ハングリー精神を持ち合わせる子どもを選出するため

スラム街では周りが全員貧しいので「貧しい事が当たり前」と皆が考えています。そこで一部の人をサポートしても「ラッキー」位にしか受け取られず、効果が薄い。しかし、周りに裕福な家があると、それを横目に見て「何で自分の家は貧しいんだ。自分も頑張って裕福になりたい!」というハングリー精神が生まれる。そのハングリー精神を持つ子供にチャンスを与えれば爆発的に勉強し成長する可能性が高いため。

③サポートするのは最貧困層ではない

ボランティアをする上でやはり一番困っている人からサポートをすべきと考えるのが自然です。となると、サポートをするのは学校にも行けない最貧困層の家庭と考えがちですが、DAREDEMO HEROがサポートするのは学校に全くいけない最貧困層ではなく、ギリギリ生活を極限に切り詰めても子供を学校に行かせることができる層とのこと。

これは最貧困層になると子どもに教育を受けさせることの意味を理解できず、学校にいく時間があれば働け、ペンを買うお金があれば食べ物を買えという流れになってしまい支援が上手く機能しないため。彼らは今のプロジェクトが将来上手く機能しはじめて、DAREDEMO HEROの出身のリーダーたちが彼らの手で社会の仕組みを変える事で救うという狙いです。

④土曜日に日本語を教える意味

DAREDEMO HEROでは土曜日は親に向けた道徳の授業、子供向けにはパソコン、英語、日本語を教えています。その中で日本語を教える理由について、僕はやはり将来為に少しでも可能性を広げる為にと考えていました。もちろん、それもあるようですが、1番の理由は「他人よりも秀でているものを持つため」ということでした。

貧困層の子どもは小さい時から、富裕層になにをしても勝てないというマインドを自然と植え付けられていきます。同じ学校に通っても、制服や文房具が変えず通年で学校に通えない、勉強も環境が整っている富裕層の生徒には勝てない。見た目からして、全くもって別次元で、もう自分は何をやってもダメだと思いこんでしまうようです。

しかし、そこで日本語を勉強することにより、日本語と言う分野では一気にTOPに躍り出る事ができます。HIROさんを始めボランティアスタッフの日本人が学校を訪問したときは日本語で会話ができます。そうなれば周りの子供たちから「日本語が話せるの!?日本人と日本語で話せるの!?」と驚かれて、「日本語教えてあげようか?」などと自信を持つことができるようになります。今まで周りから注目されることなど1度たりとも無かったのに、注目を浴びる経験をして自信をつけることができるようになるという大きな理由がありました。

⑤食事のサポートも行う

フィリピンの学校には給食システムがありません。ですのでお弁当になるのですが、貧困層はお弁当を持たせてやる余裕がありません。貧困層の子供たちは空腹を紛らわす為に水道水を飲んで我慢します。

当然午後の授業は全く集中できずに、成績が下がり自信を失うとという負のスパイラルです。

そこで、DAREDEMO HEROでは子供たちにランチも提供しています。そしてそのランチは子供たちの親や親戚が愛情込めてボランティアで作ります。

ランチは施設で皆で食べるので寂しい思いもせずに、楽しくお腹か一杯にしてまた午後の授業を受ける事ができます。

その他にも多くの気づきがありましたが、一言で貧困層のサポートといってもしっかり考えてやらないと全く機能せず、やったという事の満足で終わってしまうなと改めて感じました。

説明の後は、子どもたちとの交流となります。今回は日本語の授業に参加させてもらいました。

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まずは子どもたちの前で自己紹介です。突然だったので、準備ができずあたふたしてしまいました(笑)

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その後子ども達が日本語で自己紹介をしてくれました。将来の夢は医者、警察官、ファッションデザイナー、建築家などいろいろ分野となっていましたが、皆家族や貧しい人を助けたいという理由もしっかり語ってくれました。

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新しくオープンしたマクタン島の施設の子供たちはまだ日本語を学んで2週間となのに、日本語の自己紹介がしかりできました。勉強への意識の高さがみえました。

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その後は子ども達と一緒に天気について日本語での応答を学ぶ授業に参加。

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フィリピン人は盛り上げる事に対して天賦の才能があるので、授業は大盛り上がり!

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みなさんなかなかの日本語力。やはり勉強したいという気持ちが強いと違うなあと感じました。

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その後は、ダンスタイムです。フィリピンと言えばダンス。そして、やはりみんな上手いです。

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その後は近所に住む施設の子どの1人の家庭を訪問しました。その家庭は高級住宅街の中にあります。周りの家は凄い立派で高級車も並んでいます。因みに車の値段は日本より高いです。

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ここですと車から降りた時は全くどこにが貧しいんだ?という感じです。

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フィリピンは90%以上はクリスチャンですので、教会もあります。

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そして、HIROさんが「こちらです」と言って脇道に入っていきました。

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トタンの壁を隔てたそのエリアは木が生い茂っています。

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そして、そこには大きな送電線の鉄塔があります。もちろんかなり危険なエリアで通常は人が住んではいけない場所です。

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そしてこちらがお宅。まさに掘立小屋です。わずか徒歩15秒の所に高級住宅街外あります。そして学校には行くにはその高級住宅街を抜けていかねばなりません。これは確かにかなり酷な環境でハングリー精神が育つというHIROさんの話に納得です。

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横にも家がありました。将に貧しさそのものです。送電の鉄塔の下にありながら最近まで電気が無く夜は真っ暗だったよです。しかし、最近電気がやっと通ったとのことで少しずつ変わってきているようです。

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こちらがトイレです。もちろん、電気も水道もありません。こういう現実が普通にあります。

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その後、また施設に戻って皆で記念撮影。貧困の現実を直接みることでショックを受けますが、子供たちの明るい笑顔に助けられます。フィリピンでは辛い時も笑顔でいないと周りが悲しんでそれを見て自分がもっとつらくなる。だから、辛い時も笑顔でいて、周りの皆を笑顔にすることで自分も助けられるという考えがあるようです。

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DAREDEMO HEROの活動が将来大きな結果を生むことを願っています。

フィリピン・セブ留学をする際に、ボランティアに興味がある方には是非DAREDEMO HEROで貧困問題を解決するという課題について学んでもらえればと思います。

DAREDEMO HEROの公式WEBサイトはこちら↓

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この記事を書いた人

石原 智之

石原 智之

2006年にオーストラリアにワーキングホリデーで渡り、留学カウンセラーとなり3,000人超えの留学サポートを行う。2009年よりフィリピン・セブ留学手配を開始し、2013年にオーストラリア永住権取得。現在セブ島に常駐して、フィリピン・オーストラリア留学カウンセリング、現地サポートを担当。 » スタッフ紹介