フィリピン留学は1日8時間授業、しかもその多くがマンツーマンで初級者でも安心して参加できると非常に人気が高い留学地になっています。
しかし、一方で「英語力が期待していたより伸びなかった」「思っていた学校とは違い満足度が低かった」と後悔してしまったという声も実は少なくありません。
もちろん、後悔をするポイントは人それぞれですが、その多くは事前にそのポイントを知っておけば避けられたことが多いので今回はその後悔につながる原因と解決策を解説します。
フィリピン留学を後悔することになる原因
留学に行けば英語力は自然と上がると漠然と思っている
日本ではまだまだ「海外に1年行っていました」と言うと「では英語はペラペラですね」と言われることが多いです。海外に行けば、英語圏に行けば自然と英語力は上がるだろうと考えている人はまだまだ多いです。なので留学に行けば自然と勉強もできて、英語力が上がると漠然と考えている人が多くいるのも事実。しかし、英語のシャワーを浴びて英語力が上がっていくのは小学生以下の小さな子どもに限定され、大人は英語力を伸ばすには理論的な学習が必須となります。単に英語環境に身を置いただけでは英語力は上がりません。

英語力ほぼゼロの状態で留学をスタートさせてしまう
フィリピン留学は初級者でも安心して留学できますし、英語力0の方でも参加すること自体は可能です。留学エージェントの中には申し込ませればなんでも良いということで「英語力0でも何の問題ありません」と言うこともあるのですが、長年留学エージェントと英語学校を経営してきて現場をみてきている立場からすると正直おすすめできません。
フィリピン人の先生は基本的に日本語はできません。基礎文法を教えるにも例えば動詞なら”verb”、形容詞なら”adjective”と英語を使って説明が最初から行われます。あまりに英語力が低すぎると最初の1ヶ月程度はほぼ授業内容が理解できない、そもそも先生に英語でわからないことを質問ができなく授業が成立せずパニックになったり、心が折れてしまうことも起きています。

目標がないまま留学してしまう
英語の勉強は勉強が好きな人でもストレスに感じますし、勉強が嫌いな人であれば尚更です。また留学中はたとえスパルタ式の学校に言ってもサボろうと思えば軍隊ではないのでさぼれてしまいますし、周りに誘惑が多いこともあり最初は「今日だけ」と思いながら、そのままずるずるとサボり続けてしまうというケースも多くあります。
人間の脳は楽な方向に流される傾向があり、留学の目的がはっきりしていなければ何のために頑張るのかがわからなくなり、サボりがちになり、そこから軌道修正する際の目的がはっきりしていなければモチベーションも特にないのでそのまま惰性で留学期間を終わらせてしまう人もいます。

授業数が多い方が英語力が伸びると思っている
フィリピン留学の大きな特徴は1日平均8時間授業の長時間授業。授業数が多いコースの方が料金も高いので、授業時間が多いコースの方が英語力が伸ばせそうというイメージが強いです。実際に「私はこの留学にかけているので」ということで授業数の多いコースを希望する人も多いです。
ですが、自分の学生時代を思い出してみてください。1日8時間授業に集中できたことはあったでしょうか。しかもその授業の多くはマンツーマン授業。1−2週間限定であれば気合いで乗り越えられるかもしれませんが、数ヶ月に渡るとなれば。。。。
7コマ目、8コマ目になることはもう頭が疲弊してしまい、集中して授業を受けられなくなっている学生さんは実は結構多く学習効率が大きく下がってしまいます。

自習・復習をしない
勘違いされていることも多いのですが、英語力が上がるのは授業中ではなく、復習の時間です。授業中は学んだことが短期記憶に記憶され、それを復習することで長期記憶へ落とし込むことができます。人間の記憶は何もしないと24時間で74%のことを忘れるとされています。ですから1日8時間授業を受けても、復習をしなければ次の日には6時間分の記憶は失われます。しかも綺麗に6時間分が消えるのではなくランダムに消えていくので、せっかく次の日の授業を受けてもしっかり知識が積み重なっていきません。授業は真面目に受けていたのに英語力が上がらなかったという人にはこのパターンも多いです。

学校を選ぶ基準が料金である
留学費用はとにかく抑えたいので、学校はとにかく安いところを選ぼう。そう考える方も一定数いますが、学校と一言にいってもそのタイプ、クオリティはさまざまです。もちろん高い学校が一概に良いというわけではありませんが、料金以外の希望するポイントもしっかり考慮しないと、想像していた留学とは程遠いものになってしまうことも多いです。留学において学校のミスマッチほど悲惨なことはありません。わずか数万円ケチっただけで留学そのもののを後悔する羽目になることも多々あります。
解決方法

明確な目標を立てる
学習を継続していけば、必ずスランプや中弛みが起こります。周りから誘惑があることも珍しくありません。そんな時に目標がしっかりあれば、それに向けて自分のやるべきことや、時間の使い方の修正ができます。また自分の成長も把握しやすくなりモチベーションを上げることにつながります。
目標はどんなものでも構いませんが、なるべく具体的に数字やイメージしやすいものに落とし込むことがキーとなります。
例えば下記のような目標は数字や具体的にイメージをしやすいものになります。
- TOEIC760点以上のスコアをとる
- 英語の映画の字幕なしで楽しめるようになる
- 海外旅行で困らない英語力をつける
- 外国人の彼氏/彼女を作る
人に伝えるものではないので、自分の中にあるリアルな希望を目標に立ててください。
事前学習を行う
もちろん、現地でもしっかり勉強すれば英語力は上げられますが、特に英語力初級者の人は日本で基礎文法・単語や最低限のリスニングを勉強してから行くことで、現地で授業の充実度が大きく高まります。基礎単語や文法の勉強は絶対に避けられなく、日本でも十分にできるので留学までの時間がある場合は是非日本で事前学習をされることをおすすめします。
コースの選択は基本のコースで十分
各学校複数のコースを設定しているので、ついついもっと授業時間が長いコースの方が良いのかなと思いがちです。ですが、1日8時間マンツーマン授業や10時間も授業があるようなコースは集中力が持ちません。しかも、脳が疲れていてもせっかくお金を払ったのだからもったいないと集中力が切れた状態で授業を受ける「授業を受けることが目的」になるという本末転倒な状況が起こりがちです。こんな状態の場合は、授業を削って寮の部屋で昼寝してフレッシュした方がよっぽど学習効率が上がります。
英語力をしっかり伸ばせるかどうかは自習・復習にかかっていると言っても過言ではありません。ですので、毎日集中して自習ができるように、多くの人にとっては授業は短めの基本のコースで十分です。
学校選びは留学の目的をクリアできる学校から選択する
留学費用を抑えたいと思うこと自体は問題ありません。ただし、それはあなたの留学の目的が達成されることが条件となります。留学の目的が「安い学校に通う」と言う人は別ですが、多くの方の目標は別にあるはずです。その条件をクリアできる学校の中から費用の安い学校を選ぶという流れが正解です。留学相談をする際に最初から「とにかく費用を抑えたいので安い学校を教えてください」という感じで相談されると、エージェントも料金の安さを軸に考えてしまうので、ミスマッチのリスクが高まります。安いといっても半額になるわけではなく、留学は人生でそう何度もできるわけではないので、目標を達成できる学校を選ぶことが重要です。
