1. セブの交通事情に対する第一印象
セブに初めて来た人々は、道路の混乱ぶりに驚くことが多いです。日本や他の多くの国々では見慣れないほど、車やバイクが交差し、交通規則を無視した運転が日常的に行われています。特にタクシーに乗っていると、周囲の車やバイクのスピード感や接近の仕方に慣れるまでは怖さを感じることもあるでしょう。
多くの留学生や観光客がセブに来ると「よくこんな交通状況で事故が起きないね」と言うことがしばしばあります。しかし、これはあくまで「表面的な印象」に過ぎません。実際には、セブでは非常に多くの交通事故が発生しており、その多くが車とバイクの接触事故です。
2. セブでよく見られる危険な交通状況
バイクと車の混在するカオスな状況
セブ市内、特に中心部では以下のような危険な運転が日常茶飯事です:
- バイクが左右両方から車を追い抜く:バイクは道路のどこでも自由に走り、交通ルールを気にせずに走ることがよくあります。特に、車の左右から猛スピードで追い抜いていくことが多く、事故の原因となります。
- 大通りでのUターン:セブでは、車やバイクが大通りの真ん中でUターンすることが珍しくありません。日本では考えられないようなこの行動が、特にクラクションを鳴らされることなく受け入れらています。しかし、このタイミングでもしばしば他の車両やバイクとの衝突することがあります。
- スクーターに4人乗り:フィリピンでは、スクーターに家族全員が乗って移動することが普通です。大人2人、子供2人がぎゅうぎゅうに乗って走っている姿は、観光客から見ると驚きの光景でしょう。
- 大量の荷物を積んだスクーター:バイクやスクーターは、荷物の運搬手段としても使われ、無理に荷物を積んだ状態で走行しています。これがバランスを崩し、事故を引き起こす要因となります。
- 隙間に突っ込んでいくバイク:どんなに狭い車間でも、バイクは強引に突っ込んでいきます。これが接触事故の頻発する理由のひとつです。
3. 実際の事故発生状況
見た目では事故が少ないように感じるかもしれませんが、現実にはセブでは多くの交通事故が発生しています。特に事故が多いのは、車とバイクの接触事故です。車両同士の事故はあまり多くありませんが、バイクが関わる事故は非常に頻繁に起こります。
バイクはスピードを出しやすく、道を選ばずに走行できるため、事故を引き起こす確率が高くなります。特に、狭い道路や混雑したエリアで無理に追い越しをしようとすることで、事故が多発しています。
また、車の運転手は比較的安全な運転をしている一方で、バイクの運転手は交通ルールを無視することが多く、接触事故の原因になっています。
4. バイクタクシー(ハバルハバル)のリスク
留学生や観光客がセブで利用する交通手段の一つに、バイクタクシー(通称:ハバルハバル)があります。これは、タクシーがなかなか捕まらない場所や渋滞の中でも素早く移動できるというメリットがあり、短距離移動の際に便利な選択肢です。
しかし、バイクタクシーの利用には大きなリスクがあります。以下の理由から、バイクタクシーは安全な選択肢とは言えません。
- 無保険の運転手が多い:バイクタクシーの運転手はほとんどが保険に加入していません。そのため、万が一事故が起きた場合、運転手からの補償を受けることは難しいです。
- 事故時の対応が困難:バイク事故に巻き込まれた場合、被害者が泣き寝入りするケースが多く、海外旅行保険があったとしても完全にカバーされるとは限りません。特に留学生や観光客は現地の法制度に詳しくないため、事故後の対応が非常に困難です。
- 運転の荒さ:バイクタクシーの運転手は渋滞を避けるため、非常に荒い運転をすることが多いです。狭い道や人混みの中を猛スピードで走るため、接触事故のリスクが高まります。
5. 留学生・観光客への安全対策
安全な交通手段の選び方
セブでの交通はカオスに感じることも多いですが、注意深く選べば安全に移動することができます。特に以下の点に注意しましょう:
- バイクタクシーは避ける:バイクタクシーの便利さに魅かれることもありますが、事故のリスクと無保険の運転手が多いことを考えると、利用はおすすめしません。代わりに、タクシーや配車アプリ「グラブ(Grab)」を使うと良いでしょう。
- 信頼できる交通手段を使う:セブでは、公共交通機関や信頼できるタクシー会社を利用するのが安全です。特に「Grab」は、配車アプリを通じて事前に料金が確認できるため、ぼったくりの心配がありません。また事前にクレジットカードを登録しておくとお金のやり取りが一切不要となるので更に安心です。
歩行者としての注意点
歩行者にとっても、セブの交通は非常に危険です。歩道が整備されていない場所が多く、車道を横断する際には特に注意が必要です。
- 横断歩道でも油断しない:横断歩道を渡る際でも、車やバイクが停車しないことが多いので、常に周囲の車両に注意を払いましょう。日本では歩行者優先ですが、セブでは車やバイクが優先となります。
- 夜間は特に注意:夜間の交通は昼間以上に危険です。バイクや車がライトをつけていないこともあり、視界が悪い状況での運転がさらにリスクを高めます。
6. まとめ:セブでの交通事情を理解して安全に過ごそう
セブの交通は、日本や他の先進国と比べて非常に混乱しているように感じるかもしれません。道路にはバイクや車が入り乱れ、規則が守られていないことも多く、事故のリスクが高いです。しかし、交通事情を理解し、適切な対策を取ることで、セブでの生活を安全に過ごすことができます。
特に留学生や観光客は、バイクタクシーのリスクを理解し、安全な交通手段を選ぶことが重要です。セブの魅力を楽しむためにも、交通には十分な注意を払い、快適な滞在を心がけましょう。