マニラ空港はフィリピン随一の空港で、この空港を経由することでフィリピンの様々な都市を訪れることができます。2023年6月より、航空会社が利用するターミナルに大幅な変更が行われますので、乗り継ぎ便を利用してセブやバコロド、イロイロなどへ向かう方は注意が必要です。
マニラ空港についておさらい
フィリピンの首都であるマニラの国際空港「ニノイ・アキノ国際空港」は、ターミナルを4つ有するフィリピン随一の規模を誇る空港です。現在マニラ北方の沿岸部に新空港を建設していますが、新空港の完成予定は2027年となっており、しばらくはマニラ空港が首都圏の玄関であり続けることになります。
不便と言われるマニラ空港
古くからある空港で市街地から近いとは言えますが、近年できたシンガポールのチャンギ空港や韓国のインチョン空港のような便利に設計されたターミナルではなく、一言で言えばキャパシティに限界がきており使いづらさを感じる空港です。
1. ターミナル移動が面倒
ターミナルが4つに分かれており、ターミナル同士が離れていることから、異なるターミナルを利用するフライトを乗り継ぐ場合は移動が大変です。ターミナル間の移動方法は以下の通りで、便利でスムーズに移動できる手段がないのが現状です。
- タクシー
一般道を通るため朝夕の混雑する時間帯には渋滞にはまって思いのほか時間が掛かるリスクがあります。また、タクシー運賃の支払いのために、両替所でペソを準備しなければなりません。 - シャトルバス
各ターミナル間を結ぶ無料のバスが運行されています。運行本数は30分おきと少なく、運がよければ待ち時間少なく乗れますが、運が悪いと乗り継ぎ時間に間に合わない恐れが生じる場合があります。

Terminal Transferと書かれているのがシャトルバス乗り場
Shuttle BusやTransfer Serviceと案内されている場合もある
2. 遅延がしやすい
空港規模に対して就航便が多いことから、遅延が発生しやすいです。混雑している時間帯ですと、出発・到着ともに遅れが生じるのは日常茶飯事で、特に着陸待ちによって遅れが生じると、乗り継ぎが間に合わない恐れも生じます。また、遅延の影響で搭乗ゲートが変更される頻度も高いため、案内表示板や館内放送にも注意が必要です。
3. 混雑している
首都圏の空港であることから、利用者は大変多いです。さらに、空港職員のフィリピン人は日本人からするとのんびり仕事をしますので、セキュリティチェック、チェックインカウンター、イミグレーション(出入国審査)のいずれも行列ができやすく通過に時間を要します。
結論. 乗り継ぎ時間に余裕が必要
これらのことから、乗り継ぎ時間に余裕がないと、乗り遅れるリスクが高い空港と言えます。
各空港ごとに最低乗り継ぎ時間MCT(Minimum Connecting Time)が設定されており、これを満たさないと乗り継ぎの航空券は発券されないことになっています。しかし、マニラ空港は前述の理由からMCTを満たせば安心という訳ではない点に注意が必要です。
一般に旅行代理店の担当者はMCTを満たせば大丈夫と判断しますので、航空券の手配する際は、余裕を持たせたスケジュールになるよう依頼するとよいでしょう。
選ぶ航空会社で乗り継ぎが楽になる
マニラ空港での乗り継ぎの負担をできるだけ少なくするためには、下記の時間を削ることです。
- 預けた荷物の回収
- ターミナル移動
- チェックイン
一例として、日本→マニラ→セブの経路の場合、日本→マニラとマニラ→セブで同一の航空会社を利用する場合と異なる航空会社を利用する場合では、マニラ空港での手続きの流れは以下のように変わります。
同一の航空会社で乗り継ぐ場合
- 入国審査
- 預け入れ荷物の回収 *1
- 税関審査 *1
- 荷物の預け入れ *1
- 出発階への移動
- 乗継便の搭乗口へ
*1 バゲージスルー(乗継時に預け入れ荷物の回収が不要で目的地まで運ばれること)の場合は不要です。チェックイン時にご確認ください。
※スルーチェックイン(出発空港のチェックイン時に乗継便のチェックインができること)の場合です。航空会社によって対応が異なる場合がありますのでご利用の航空会社にご確認ください。
異なる航空会社で乗り継ぐ場合
- 入国審査
- 預け入れ荷物の受け取り
- 税関審査
- ターミナル移動
- 乗継便のチェックイン&荷物の預け入れ
- 乗継便の搭乗口へ
※同一航空会社での乗り継ぎであってもスルーチェックイン対象ではなかった場合は、上記と同じになります。
このように手続きが多く、乗り遅れが起きないように最低でも3時間程度の乗継時間は確保しておきたいところです。
同じ航空会社で乗り継ぐのがセオリー
基本的に航空会社によってターミナルは分かれているので、国際線と国内線のどちらも運行するフィリピンの航空会社(フィリピン航空もしくはセブパシフィック航空)を利用すると便利です。
国際線発着ターミナル (日本~マニラ) | 国内線発着ターミナル (マニラ~フィリピン各都市) | |
---|---|---|
フィリピン航空 | ターミナル2 | ターミナル2 |
セブパシフィック航空 | ターミナル3 | ターミナル3 |
しかし、2023年6月に面倒な変更が…
マニラ空港では、今あるターミナルでより多くの就航便を確保できるよう、各ターミナルを利用する航空会社の再編を行いました。これにより、日本からのアクセスでは大きな影響を受けることになります。
国際線発着ターミナル (日本~マニラ) | 国内線発着ターミナル (マニラ~フィリピン各都市) | |
---|---|---|
フィリピン航空 | ターミナル2からターミナル1に変更 | ターミナル2 |
セブパシフィック航空 | ターミナル3 | ターミナル3 |
この変更により、フィリピン航空を利用した場合、ターミナル移動が必要になりました。そのため、マニラ乗り継ぎで便利な航空会社は、セブパシフィック航空のみとなってしまいました。
セブパシフィック航空が就航している日本の空港
セブパシフィック航空は、フィリピンで最大規模の航空会社で国内外に多くの路線を持つLCC (格安航空会社)です。日本各地にも就航しており、マニラ便は下記の空港より利用できます。
- 成田
- 関西
- 中部
- 福岡
同社はフィリピンの国内線も充実しており、セブ・バコロド・イロイロのいずれにも豊富な数のフライトが設定されています。
